日本からニュージーランドへ車を輸送する方法|費用・手続き・輸入条件を解説

日本で乗っている車をニュージーランドへ持っていくことはできる

ニュージーランドに車を輸送

ニュージーランドへ移住するとき、日本で乗っている車をそのままニュージーランドへ輸送することは可能です。

特に日本とニュージーランドはどちらも左側通行のため、日本仕様の右ハンドル車をそのまま利用しやすいというメリットがあります。

ただし、日本で公道を走れる車だからといって、そのままニュージーランドで登録して走れるわけではありません。

輸入する車は、ニュージーランドの安全基準や排出ガス基準などを満たし、輸入後にEntry certification(輸入車の適合検査・認証)を受ける必要があります。NZTAは輸入中古車について、安全・排出ガスなどの基準への適合証明、Border inspection(国境検査)、Entry certification、登録・ライセンスなどを求めています。

※NZTA(New Zealand Transport Agency/ニュージーランド運輸庁)は、ニュージーランドの道路交通や車両登録、運転免許などを管轄する政府機関です。

さらに、中古車を日本から輸送する場合は、ニュージーランドのバイオセキュリティ基準を満たすため、車内・車外を十分に洗浄しておく必要があります。日本から輸出される中古乗用車などは、MPIが承認したシステムによる日本国内での洗浄が必要です。

輸送を決める前に輸入できる車か確認する

車を船に載せてから「ニュージーランドで登録できない」と分かると、大きな費用と手間がかかります。

そのため、最初に確認したいのは次のポイントです。

  • ニュージーランドの安全基準を満たしているか
  • 排出ガス基準を満たしているか
  • 車両の基準適合を証明できる書類があるか
  • Entry certificationを受けられる車両か
  • 輸送費や検査費を含めても日本から持ち込むメリットがあるか

NZTAも、輸入条件を満たす責任は輸入者にあるとしており、輸送前に各機関の条件を確認することを推奨しています。

ニュージーランドで車を購入する方法については「ニュージーランドで車を購入する方法|新車・中古車の探し方から手続き・費用まで」で詳しく紹介しています。

どんな車ならニュージーランドへ持っていける?

日本で一般的に販売されている比較的新しい右ハンドル車で、ニュージーランドの安全基準や排出ガス基準などを満たしている車であれば、輸入できる可能性は高くなります。

日本から輸入する普通乗用車の場合、例えば日本国内向けに製造された660cc超の車は、1996年1月以降に製造されたものであれば、NZTAが定める前面衝突基準を満たすものとして扱われます。ただし、排出ガス基準やESC(横滑り防止装置)など、ほかの条件も確認する必要があります。

ニュージーランドへ持ち込みやすい車・注意が必要な車

持ち込みやすい車注意が必要な車
日本仕様の右ハンドル車左ハンドル車
比較的新しい国産車古い車
NZの安全基準を満たす車安全基準を証明できない車
排出ガス基準を満たす車排出ガス基準を満たさない車
ノーマルに近い車大幅に改造された車

特に左ハンドル車は注意が必要です。ニュージーランドでは原則として右ハンドル車が求められており、左ハンドル車をそのまま登録できるのは、20年以上経過した車や一定のSpecial interest vehicle(特別な価値を持つ車)など、限られたケースです。

一方、古い車がすべて輸入できないわけではありません。20年以上経過した車には、前面衝突基準や排出ガス基準の一部について例外があります。クラシックカーなどは通常の車とは条件が異なるため、個別に確認する必要があります。

また、ニュージーランドへ移住する人が以前から所有していた車については、一定の条件を満たせば、安全・排出ガス・ESCなど一部の基準について移住者向けの例外が適用される場合があります。

車種・年式・仕様によって条件が異なるため、輸送を申し込む前にNZTAまたはEntry certifierへ確認することが重要です。

日本からニュージーランドへ車を輸送する流れ

日本から車を持ち込む場合は、船で輸送して終わりではありません。

日本で輸出・輸送の準備を行い、ニュージーランド到着後に税関やバイオセキュリティの手続き、車両検査などを経て、最後にニュージーランドで車両登録を行います。

流れ主な内容
① 輸入できる車か確認NZの安全・排出ガス基準などを確認
② 日本で輸送手配Shipping agent(輸送業者)などへ依頼
③ 車両の洗浄・輸出MPIのバイオセキュリティ基準に対応
④ NZへ船で輸送日本からニュージーランドの港へ輸送
⑤ 税関・検疫CustomsとMPIによる輸入・バイオセキュリティ手続き
⑥ Entry certification車両がNZの基準を満たしているか検査・認証
⑦ 車両登録登録・ライセンスを行い、公道を走れる状態にする

特に中古車は、ニュージーランドへ到着してから汚れや土、植物などが見つかると、追加の洗浄や処理が必要になり、その費用も輸入者の負担になる可能性があります。日本から輸出する中古乗用車は、MPIが承認したシステムによる日本国内での洗浄が必要です。

また、NZTAも海外で車を購入・輸送する前に、Entry certifier(輸入車の適合検査を行う認証機関)へ相談し、その車がニュージーランドで登録できるか確認することを推奨しています。

日本からニュージーランドへの車の輸送にはいくらかかる?

日本からニュージーランドへ一般的な乗用車を輸送する場合、車両価格や税金を除いて、輸送からニュージーランドでの登録までにおおよそNZ$3,500〜6,500(約32万〜60万円)程度をひとつの目安として考えておくとよいでしょう。

※1NZドル=約92円で換算。車種、車両サイズ、出発港・到着港、輸送方法、検査内容などによって大きく変わります。

車を輸送するときにかかる主な費用

費用おおよその目安
日本→NZの海上輸送NZ$2,500〜4,500
日本での検査・洗浄などNZ$300〜600程度
NZ到着後のバイオセキュリティ検査約NZ$100〜
Entry certificationNZ$300〜600程度
登録・ライセンスなどNZ$200〜400程度
合計の目安NZ$3,500〜6,500程度

海上輸送では、車をそのまま船内へ積み込むRoRo(Roll-on/Roll-off)方式が利用されることがあります。コンテナ輸送を利用する場合や大型車を輸送する場合は、費用が高くなる可能性があります。民間の2026年相場例では、日本からオークランドへのRoRo輸送がNZ$2,500〜4,500程度とされています。

また、車がニュージーランドの基準を満たさず修理や追加検査が必要になった場合や、バイオセキュリティ検査で追加洗浄が必要になった場合は、さらに費用が発生します。MPIも追加の洗浄・処理・再検査などが別料金になる場合があると案内しています。

そのため、実際に輸送を決める際は、Shipping agent(輸送業者)などから車種を指定して見積もりを取るのが確実です。

ニュージーランドに長期滞在する場合は、現地の免許に切替えると期限が10年間有効になります。

【10年間有効】日本の運転免許からニュージーランド免許へ切り替える方法

移住時に持ち込む車は関税・GSTが免除される場合がある

日本からニュージーランドへ車を輸入すると、必ず高額な税金がかかるわけではありません。

ニュージーランドへ移住する人が、それまで日本で所有・使用していた自家用車を持ち込む場合、一定の条件を満たせば「Concession Reference 80(c)」という移住者向けの免税制度を利用できる場合があります。

関税・GSTが免除される主な条件

条件内容
NZでの居住資格輸入時に対象となる居住資格を持っている
海外居住期間NZ到着前の21か月間、原則として海外に居住している
車の所有・使用期間日本など海外で本人が1年以上所有し、実際に使用している
車の用途本人が使用する自家用車
輸入後原則として2年間は売却・譲渡しない

特に重要なのが「1年以上所有している」という条件です。

例えば、ニュージーランドへの移住直前に日本で車を購入し、そのまま輸送しても、この移住者向け免税制度の対象にはなりません。

また、この制度を利用して輸入した車を2年以内に売却・譲渡した場合は、輸入時に免除された関税やGSTについて、Customs(ニュージーランド税関)への支払いが必要になることがあります。

免税制度を利用できない場合

条件を満たさない場合でも車を輸入できないわけではありません。

一般の乗用車については、現在ニュージーランドのCustoms Duty(関税)は0%です。ただし、免税制度を利用できない場合はGSTなどが発生する可能性があります。GSTの計算では、車両のCustoms Valueに国際輸送費や保険料などが関係します。

そのため、日本で長く所有している愛車を移住に合わせて持っていく場合と、移住直前に車を購入して輸入する場合では、税金の扱いが変わる可能性があります。

日本から輸送するのとNZで車を買うのはどちらがいい?

ニュージーランドへ移住するとき、日本で所有している車を持っていくか、移住後に現地で車を購入するか迷う人もいるでしょう。

日本からの輸送には数十万円程度の費用がかかるため、一般的な車であれば、ニュージーランド到着後に購入した方が手続きはシンプルです。

一方、日本で長く所有している車や希少な車、クラシックカーなどは、輸送費をかけても持っていく価値がある場合があります。

日本からの輸送が向いているケース

  • 長年乗っている愛車をそのまま使いたい
  • クラシックカーや希少車を所有している
  • NZで同じ車を購入するのが難しい
  • 移住者向けの関税・GSTの免税条件を満たしている
  • 輸送費や検査費を払っても現地購入よりメリットがある

反対に、一般的な日本車やニュージーランドでも簡単に購入できる車であれば、輸送費やEntry certificationなどの手間まで含めて比較すると、現地購入の方が合理的なケースもあります。

NZTAも、海外から車を輸入する前にEntry certifierへ相談し、車両がニュージーランドの基準を満たせるか確認するとともに、Shipping agentへ費用や輸送期間を確認することを推奨しています。

日本から車を輸送するなら事前確認が重要

日本で乗っている車をニュージーランドへ持っていくことはできますが、すべての車がそのままニュージーランドで登録できるわけではありません。

輸送を決める前に、車の年式や仕様がニュージーランドの安全・排出ガス基準などを満たしているか確認し、Entry certifierへ相談しておくことが重要です。NZTAも、特定の車を輸入する前にEntry certifierへ相談することを推奨しています。

また、ニュージーランド到着後はCustoms(税関)とバイオセキュリティの手続き、Entry certification、車両登録・ライセンスなどが必要です。これらが完了して初めてニュージーランドの公道を走れるようになります。

日本で長く所有している愛車やクラシックカーなどであれば、移住者向けの免税制度を利用できる場合もあるため、現地で買い直す場合と費用を比較して検討するとよいでしょう。

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